2016年2月7日第65回別府大分毎日マラソン_02(パートⅡ)

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◆マラソン完走レポートコーナーです。
今回は、毎年2月第1日曜日に開催される別府大分毎日マラソンに参加されたY達さんのレポートです。
※Y達さんと書いてもおわかりいただく方もいらっしゃるかと思いますが・・・・。

Yさんとは、とても長いお付き合いをさせていただいており、ひと回り近く先輩なのですが、サブスリーランナーというすばらしい脚力の持ち主です。Yさんは、しっかり計画してトレーニングをされており、とても参考になるレポートなので、ぜひ参考にしてください。

全5話にわたる超大作です。その第2話です。
第1話は、2016年2月7日第65回別府大分毎日マラソン_02(パートⅠ)をご覧ください。

1-3:レース前半(流れに身を任せ)

スタート15分前、ラインアップ開始時間である。別大の場合、公式の申請持ちタイム順に、ゼッケン番号が与えられ、スタートもその順番で並ぶラインナップがある。私は、25列目であった。

遠くに見えていた点が爆音と共に近づいてきて、ホバリングを開始した。音が高崎山に反射する。テレビ中継用のヘリコプターである。オリンピック選考レースにはなっていないとはいえ、全国区の老舗エリートマラソン大会を感じさせるスタート風景である。
12時きっかりに、スタート。
きちんと、ランナーが走力順に並ぶ別大ゆえ、スタートしたマラソンランナーの集団は、ほとんどその体制をくんだまま、まるでベルトコンベアーのように、スピードアップしていく様は、このマラソンならではである。

1Km前にして、想定するキロ4分一桁秒にペースがカチリと言う音がするようにセットされた。
5Kmを過ぎ、その景色もだいぶ馴染んできた別府市街を抜けると、天気予報で言っていた北風の寒さを感じ始めた。

普通のマラソンであれば、このあたりで同じようなペースで走る綺麗なフォームの良いランナーを捜すと、直ぐ目星が付くものであるが、やはり別大である。5Km進んだ段階でも、周りのランナーは全て同じようなペース、しかも申し分ないフォームで走っており、いまだ目標を絞るというよりも、流れに身を任せていくという感じが続く。

前方から、パトカー、続いて白バイが来ると、直ぐさま先頭集団が、前方から駆け抜けていった。10Kmの折り返しはもうすぐであった。

1-4:中盤(I have a confidence in me)

15Km過ぎ。
おりしも、すこし高まった気温でかいた汗が冷えてくる頃である。
再度、別府市街を通過しつつあった。

10Km過ぎに感じるふわりとした体の軽さのあとは、このあたりでいろいろと体の調子の変化に気が向き始める頃であった。前日からすこし感じていた頭の痛さ。体のだるさは感じられないので、熱はないだろうが、すこしだけ、体の反応が遅くなることを感じる。レース直前の風邪がまだ治っていなかったのだろうと冷静に分析したところで、どうなるものではない。

スタート地点のうみたまごを過ぎると、別大名物のカントした道路が左右にまがるエリアが始まった。
このあたりで、ラン友さんに抜かれてくことで、多少ペースが落ちていることを意識した。

この状態になると、普通はこれから先のペースダウンの不安がよぎる場面なのであろうが、体と会話すると、力は微塵も失われていない反応が返ってきた。むしろ、あと10Kmほど走れば、全てを解放して走り出せる地点がくることを心待ちしている気分で満たされる幸福感が支配している。

自然と、ここで出てきたのがサウンドオブミュージックの歌”I Have Confidence”であった。
So, let them bring on all their problemsI’ll do better than my bestI have confidence they’ll put me to the testBut I’ll make them see I have confidence in me
(そうだそうだ。)

I have confidence in confidence aloneBesides which you see I have confidence in me!
詳しい歌詞はもちろんレース中は思い出さないが、“I have a confidence in meというフレーズが、オートチェンジャーのジュークボックスから流れる音楽のように自然と頭の中で奏で始めていた。

いや、もちろん、ハーフ通過は、腕に巻いたプランから2分遅れであることは確認している。このハーフ1時間29分台というのは、正直ぎりぎりのタイムであることには違いない。しかし、体からの反応は、疑いもなくあと10Km走り、そこからスパートしてゴールまで駆け抜けるに足りるエネルギーが満ちていることを示していた。

この感覚を得るために、駒沢公園でなんども繰り返しペース走を積み上げていた。
言語化できない体からのシグナルを確かに感じているからこそ、ゴールまでのプランに対する自信が確実になった瞬間であった。

Ⅰ-5 後半(体も心も解放せよ)

30Km。
大分市街のはずれ、大分川にかかる橋をこえると、そこは、前方に愚直なまでに直線を見せる産業道路の入り口、30Km地点である。この産業道路、脇には製鉄所などの大規模な工場がならび、関東でいうと、千葉の君津付近のどこまでもおもしろみを抑えた道である。

当初の予定では、このポイントから、ロングスパートをかけるはずであった。橋の下りを利用して、ペースアップを試みたが、思うようにまだ体が反応してこない。それ以上に、スタート前に感じていた頭の痛さと、キャップが汗で冷えた感触が、次第に堪えるようになってきた。

それでも、このあたりに来ると、周りのランナーのペースはじょじょに落ちてくるため、前に抜けていくランナーをフォローしながら、同じペースを維持し、流れの前へ、前へと進む。
33.5Kmの給水所が来た。

心拍数も十分あがってきた。脚も走りたがっている。
さあ、スイッチを入れる時が来た。
シドニーオリンピックの高橋尚子は、サングラスを投げ捨てたが、私は、千葉マリンマラソンの参加賞のキャップを、ちょっとだけかっこつけて給水所のゴミ箱に投げ捨てると、一気に体中の体温が1度ほど上昇したかのように、スパート体制に身を投じた。

ここから、ゴールまで9Km。もう、タイムやラップを気にする必要もない。ひたすらに、ゴールまで一気呵成に駆け抜けるつもりである。
ペースアップといっても、絶対的なタイムは、キロあたり数秒だろうが、予定していたピッチを上げてのペースアップを自ら仕掛けて走る気持ちよさよ。

川を越える橋のわずかな登りでは、”サー”、”オウ-”と周りにすこしだけ迷惑な雄叫びを上げて駆け上がる。
35Kmを過ぎたコースは、これまでの広大な三車線から1車線の裏道に入る故、よりスピード感を感じながら走る。ハムストリングは、釣りそうなシグナルを時折送ってくるが、残り4Kmあまり。そんなシグナルには再度のスパートで答える。

40Km通過
この上ない時間が終わってしまう惜しさ。そして、タイムを目指し少しでも早くゴールに駆け込みたい気持ちとの相反する気持ちを味わいながら、大分川沿いの道を走る。

右折し、競技場にしつらえられた電光掲示板を見やると、2時間57分10秒を指している。
ベスト更新は出来そうにもない。しかし、最高のピッチを刻んでトラックを周り、ゴールに駆け込んだ。

続きは、2016年2月7日第65回別府大分毎日マラソン_02(パートⅢ)をご覧ください。

2016年2月7日第65回別府大分毎日マラソン_02(パートⅡ)
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